JOURNAL

ジャーナル

2024年10月21日

インタビュー

作品&人との出会いを楽しみ、コミュニケーションにも変化が

アートって、なんの役に立つの?そんな疑問を感じる方も多いかもしれません。このコラムでは「大人のやさしいアートゼミ」を通して起きた変化を、ご参加者にインタビュー!それぞれの方の楽しみ方や、アートから受け取ったものをお届けしていきます。第2回目は、金融業界につとめ、2024年1月から毎月欠かさずにさくっとアートゼミに参加をしてくださっている石田真紗美さんにお話を伺いました!

■10ヶ月ほど毎月「さくっとアートゼミ」に参加してくださっています。そもそも参加してみたいなと思ったきっかけは?

月1回は参加したいと思っていて、2~3回参加している月もありますね。
きっかけは、静香さんのfacebookで知ったんです。もともと私、絵のセンスもないし、鑑賞にも全然興味がなかった。でも「やってみたいな」って心のどこかで思っていて

ただ絵を鑑賞するんじゃなくて、それについて話せるんだったら、なんか面白いんじゃないの?という、もう完全に興味本位でしたね。

以前は美術館に行くことも少なかったのでしょうか?

美術館は年1、2回とか、友達に誘われて行く程度でした。それこそ前回のモネ展に行ったんですよ。見てるときは面白いなとは思ったんですけど、すぐに頭から抜けちゃうんです。

あとは美術館と比べて後ろの人に急かされることなくじっくり見れるので、話すことで自分の中にインプットできそうだなというところにも興味を持ちましたね。

初めて参加したときの感想は?

実はみんな、絵に詳しいわけじゃない笑。ちょっと興味あるぐらいの感じの方たちが集まってるんだなと。これだったら私も参加して、楽しくできそうだなって感じました。

歴史や背景の知識がないと…って思ってた部分があったのですが、実際1回参加してみたら、ハードルがいい意味で下がりました

参加して、どんなところに面白さを感じてますか?

1枚の絵を見てディスカッションするのはもちろん。あとはいろんな人との出会いがあることですかね
境遇とかこれまでの仕事もいろんなことやってる方が多くて。1枚の絵を見ることを通して、普段出会えない新しい人と出会える。その人たちと絵について語る面白さを感じてます

夜のさくっとアートゼミに参加する石田さん(左上)

印象的だったことはありますか?

参加しはじめて間もない頃、最初に発言した方の後で、他の方も続けて同じような意見を言ったんですよ。そしたら最後に感想で「前の人の意見に釣られちゃいますよね」みたいなことを言った方がいて。その時に「同じこと言ってちゃダメなんだ!なんとなく分かってたけど、やっぱダメなんだな」って。

そこから「自分の思ったことを言っていこう。苦手な絵に対しても自由に発言していいんだな」っていうスイッチが入って、参加する毎により楽しさが見えてきてますね。

おもしろいですね。たしかに石田さん「私にはそういう風には見えてなくて」って、よく発言してくれてますよね。

「ちょっと言ってみる」というのが周りにとってもいいことなんだと、ここ最近感じてますね。自分の発言が、他の人に影響を与えたり、見え方を変えたり。

それは絵だけじゃなくって、日常でもそうだなと思っていて。「この人はこう思ってるかもしんないけど、私は違うよ」って最近は言うようになってるんですよね。それまでも、言えないわけじゃないんですけど、ちょっと躊躇してる部分は正直ありました

コミュニケーションの取り方に変化を感じているんですね?

そうですね、自分の意見を言うことに躊躇がなくなってると思います
1枚の絵に対して、人によって見えてることや感じていることって違うじゃないですか。当たり前ですけど。それって、仕事や日常生活でもそうですよね。

今職場のみんなからは「話すのうまいよね」って言われるんです。それこそ、思ったこと伝えられるようになったし、相手を否定するんじゃなくて「あなたのも一理あるけど、こういう見方もできるんじゃないんですか」って投げかけたり。「今⚪️⚪️さんはこう言いましたけど〜」って引用するのも、アートゼミを通して意識するようになったことかもしれない

特に仕事だと「私はこう思う」ってストレートに意見を言う人が、 正直多くないと思うんですよ。「上の立場の人が言うんだったら」というところもあるし。絵の感想って、優劣はないと思うので、言葉にしやすいし、その伝え方を学べる要素がさくっとアートゼミには含まれてるような気がします。なんか、深い。深いなと感じてます笑

今は定期的に参加してくれてますが、ルーティーンになったきっかけは?

人と喋れる、出会える楽しさ、みたいなところが大きいですね。
定期的にこんなに続いてるのはこれが初めてかも?こどもの頃の習い事みたいな感覚になりつつあります。

最近参加している夜は、「疲れても参加したい。顔馴染みの参加者に会いたい、喋りたい。」みたいな気持ち。ストレス発散みたいな感じになってるかも。仕事やその他のことは忘れて、本当にその絵のことだけ考えて1時間話せるっていう時間っていうのが、心地よくて、いつの間にかルーティン化していたという感じですね!

朝参加してた時は、仕事前に朝早く起きて参加していたので、「朝活したな!」という満足感とスッキリ感が良かったですね。1日のスタート地点がプラスになるみたいな感覚でした。

アートゼミをオススメするならどんな人でしょうか?

今まで絵に関わってこなかった人や、苦手意識がある人がいいと思います。あとは先ほどの自分の話にも繋がりますが、コミュニケーション力をもっと高めたい人ですね。

初めて参加すると最初は「うわ、すごいな」って思うかもですが、2回3回参加すれば、みんな慣れてきますよね。上下関係があるわけでもないし、何の関係性もない人たちが集まってるからこそ、遠慮せずに発言できるのもあるなと。

1歩踏み出すのは時間かかるかもしれないけど、こういうコミュニケーションが取れるようになっていくと、益々おもしろいんじゃないかなって思います。

新しい出会いや、家族でもなく職場の人でもない人との会話を楽しんでいる石田さん。対話しながら鑑賞することを通して、コミュニケーションの取り方自体に変化を感じいらしゃるのが印象的でした。アートゼミにはいろんなスタイルで楽しんでいる方がいるので、またご紹介していければと思います!

関連記事

インタビュー

2023年11月05日

じっくり向き合うことで、絵とも人とも”濃い関係”が築けるように